11月23日晩秋の青森で城址と黄葉の旅・その2(青森県八戸市)2012年11月27日 22時26分31秒

根城を散策した後は市の中心街へと移動して昼食をとり、その足で三八城公園へと向かった。ここは江戸時代に八戸藩の藩庁があった八戸城の本丸跡でもある。

三八城公園の紅葉
公園内の紅葉は半分以上が散っている状態だったが、改めて見ると公園の中央には紅葉や黄葉が綺麗な樹が集められていることに気付かされた。


三八城神社の紅葉
同じ本丸跡でも三八城神社の紅葉はまだまだ見頃の状態で、なかなか見事な秋色だった。


龗神社のイチョウ
二の丸跡の龗神社(法霊神社)にも行ってみたが、ここも思いのほか紅葉・黄葉がまだ散っていなかった。特にまだ若そうなイチョウの木が散っていなかったのは意外だった。

11月23日晩秋の青森で城址と黄葉の旅・その1(青森県八戸市)2012年11月26日 23時17分29秒

11月の3連休は秋も終盤を迎えた青森へと出かけて来た。紅葉は既に散っている場所が大半だが、銀杏の巨木は黄葉が遅いため、それを見越しての旅であった。なお、意外かもしれないが銀杏の巨木トップ10の半数近くがこの青森県に集中している。

外から見た根城大銀杏
まず、最初に向かったのが八戸市にある根城で、中世に根城南部氏の居城だった城である。この城の本丸の一角に大銀杏があり、築城時には既にあったという言い伝えを信じれば樹齢は軽く700年を越えていることになる。


城内から見た根城大銀杏
大銀杏は本丸の厩の裏にあり、ちょうど黄葉の真っ盛りで綺麗だった。枝の北側は既に散っているように見えるが、過去にあった落雷の影響で元々葉の付が悪かったのかもしれない。


柵の更新
根城には既に何度も訪れており、以前来た時と比べても城内に大きな変化は見られなかったが、南側の柵がちょうど新しいものに建替えられていた。


楓と根城の御殿
椛や楓はもう終わっていると思っていたが、まだ散っていない木々が多くあったのは思いがけない収穫だった。画像は本丸御殿とその傍の紅葉。

11月11日城址と紅葉黄葉の旅・その4(岩手県一関市)2012年11月15日 23時26分11秒

江刺の岩谷堂から一ノ関に移動して一泊した翌朝は、北上山地を横断する今泉街道の中ほどにある大原の街へと向かった。ここはかつて大原千葉氏の居城の山吹城があった場所で、中世は城下町、江戸時代には仙台藩の宿場町として栄えた場所でもある。


麓から見上げた山吹城の風景
山間を縫って川を遡り、大東バスセンターに到着してさっそく見上げると、そこから山吹城の本丸の東屋が見えた。また、今回の目当ての山吹城の大銀杏も麓から見えたが、木はまだ青葉のようで昨日の岩谷堂の大銀杏同様にまだ来るのが早かったようだった。


山吹城大手門跡
大手口は大原中学校の背後にあり、山道はウッドチップが敷き詰められているためかなり歩き易かった。道は南側の突端部の頂上に続いており、突端部の雛壇状の郭を抜けて本丸の南側の付け根に取り付いていた。突端部から西に行けば東三の丸に行けそうだったが、その方向は藪だったため確認していない。


山吹城本丸
道を登りきった先が山頂の本丸で、郭は比較的広く瓢箪のような形をしていた。なお、瓢箪のクビレの部分がちょうど山道に繋がっている。本丸からは大原の街が一望でき、特徴的な形の室根山が見えるのが印象的だった。


山吹城の大銀杏
本丸には山吹城の城主が植えたという大銀杏があり、正確には本丸の土塁の上にあって、今では斜面に乗り出しているため、下から見るとかなり迫力があった。麓から見た時は青葉に見えた大銀杏だが、近寄って見るとそこそこ黄葉は進んでおり、あと1週間あれば綺麗な黄葉が見れそうな感じだった。


男森
本丸より東側の一段低い場所に二の丸があり、本丸同様に二の丸もそこそこ広い郭だった。この二の丸内の一角に土塁にしては妙な塊があり、本丸にあった地図には男森と書かれていた。


山吹城二の丸堀切
二の丸と東三の丸の間には大きな堀切があるが、堀切の先は腰郭に続いているため、通路であった可能性が高い。堀切は東三の丸の先と、搦手口に下りる途中にもあり、全体的に連郭式の縄張りになっているのが良く判った。


山吹城搦手口の切通し
搦手口は東の切通しになっている場所にあり、この切通しによって城跡のある峰は背後の山から切り離されている。この切通しを今は車道が通っており、南側の大原の街と、北側の山吹の農村地帯を繋ぐ最短ルートになっていた。


山吹の棚田
大原の山吹へと来た記念で、「日本の棚田百選」に北限の棚田として載っている「山吹の棚田」も見に拠ってみた。本来なら春の水が張っている時期か、秋の黄金色の時期に見るのがベストなのだろうが、なかなか雰囲気があって良い風景だった。地味に室根山が風景に入るのが個人的にはツボである。

11月10日城址と紅葉黄葉の旅・その3(岩手県奥州市)2012年11月14日 22時39分14秒

向山から「夢の橋」を渡った先は岩谷堂城跡の城内で、今は本丸周辺が「館山史跡公園」として整備されていた。


館山史跡公園入り口
橋を渡ってすぐの場所に駐車場とトイレがあり、その先には公園のMAPが描かれた説明板がある。公園の名称が書かれた石碑は比較的新しいもののようだったので、最近整備されたのかもしれない。ここから階段を登ると東屋がある郭(名称不明)に出る。


本丸直下の横堀
東屋のある郭から本丸へと登ると、斜面にハッキリと横堀と土塁が確認できた。ただ、『岩谷堂城絵図』と見比べると横堀ではなく帯曲輪なのかもしれない。


岩谷堂城本丸
本丸は周囲を杉に囲まれているため内部は日影になっており、内側には紫陽花が大量に植えられていた。初夏には花の名所として楽しめそうな場所である。遺構としては本丸周囲の土塁が良く残っており、奥には藤原経清、清衡親子を祀った二清院が建立されていた。


岩谷堂城の大銀杏
今回の旅の目的の一つに、この岩谷堂城本丸にある大銀杏の黄葉を見ることが含まれていたのだが、残念なことに黄葉にはまだ程遠い青葉な状態だった。藤原の郷や向山公園の若いイチョウは黄葉のピークを過ぎている状態だったので、やはり巨木・老木になるほど黄葉は遅くなるようだ。現状から考えると11月下旬か12月初めが見頃だろうか・・・。


中の丸の堀切
城跡は本丸から南西に向けて連郭式の縄張りを展開しているが、本丸と二の丸の間の中の丸には堀切や敷居の土塁が良く残っていた。中の丸には展望台もあるが、眺めの方は少々微妙だった。


岩谷堂城二の丸
御殿などの主要な建物があった二の丸跡は、想像していたよりも広大で、今は大半が野球?のグランドになっていた。


岩谷堂城大手門跡
二の丸の大手門跡は今も館山史跡公園に続く通路になっているが、絵図を見ると内枡と外枡を繋いだような面白い構造をしている。連続して道を折り曲げる虎口の構造は先月訪れた小谷山城を思い出させるが、実は同じ伊達氏の城という共通点がある。画像は大手門跡を正面から見たもので、奥の道が右に曲がる箇所が内枡の部分、左に見える土塁は外枡の部分の一部で本来は道を遮るように右へ続いていた。絵図だと石垣で出来ていたようだが、今は綺麗さっぱり取り除かれている。

11月10日城址と紅葉黄葉の旅・その2(岩手県奥州市)2012年11月13日 21時44分05秒

「えさし藤原の郷」をまんべんなく散策した後は、併設されているレストランで昼食を取り、その後は藤原の郷に隣接する場所に建っている郷土文化館へと立ち寄った。館内の展示は大雑把に言うと「産業と宗教」に関するもので、一番奥は何体もの観音像が立ち並ぶ別世界であった。


向山公園展望台
「えさし藤原の郷」に隣接する山の上は「向山公園」となっており、ここも広葉樹が多く紅葉が綺麗だった。山の最も高い場所には展望台があり、ここからは江刺の町並みを見下ろすことができ、なかなかのいい眺めだった。


展望台から藤原の郷を望む
展望台からは「えさし藤原の郷」も見下ろすことが出来たが、丘の上の豊田館周辺はある程度見えるものの、平地にある政庁などはほとんど隠れて見えなかった。


向山公園の紅葉
画像は展望台のすぐ側にある紅葉した木々。「えさし藤原の郷」の園内同様に椛や楓がちょうど見頃となっていた。他には若いイチョウの木もちょうど黄葉のピークだった。


岩谷堂城と夢の橋
向山から谷を挟んで北側にあるのが岩谷堂城のある山で、ここには「夢の橋」と呼ばれるアーチの大橋が架けられており、この橋からの眺めはなかなかの絶景であった。ちなみに「えさし藤原の郷」からもこの橋は見えており、下から見てもかなりインパクトのある風景となっていた。