7月18日四国遠征・その6【大洲城】(愛媛県大洲市)2014年07月27日 09時52分01秒

宇和島の次は大洲に行きたかったが移動時間を計算したら16時半を過ぎることが判ったため、結局仕切りなおしで翌日の18日に向かうことにした。大洲城は中世に宇都宮豊房が築いた城を藤堂高虎が近世城郭に改築した城で、貴重な木造復元天守閣があることから是非とも今回の旅で訪れたかった場所であった。


肱川から見た大洲城
画像は肱川に架かる橋から見た城の建つ丘の様子だが、いまいちパッとしない景観である。思い返して見てもやはり景観では宇和島に行くときに特急から見た北側からの景色が一番だった。ただ、それは写真に残していないため悔いが残る思い出となった。


苧綿櫓
肱川を渡っている最中に川に突き出るように櫓が見えたので気になっていたが、郵便局脇の道路から遮水門を通って櫓の下の川沿いに出られるのが判ったので、そこから確認することが出来た。この櫓は大洲城の現存建造物(重要文化財)の苧綿櫓で、実は水害対策で石垣が当時よりも2mほど嵩上げされているという。まぁ、自治体によっては河川工事優先で取り壊した所もあるので大洲城は幸運だったとも言える。


南隅櫓
三の丸は市街地になっているが、南側に行くとここにも現存する建造物の三の丸南隅櫓があった。この櫓は内部を見学できるようになっていたが、階段や二階の床板が抜けそうなほど薄いのが地味に怖かった。後で説明板を見て納得したが、この櫓は藩の財政が逼迫している時代にかなり節約して造られたものだという。あと、櫓としては「隠し挟間」なんてものがあるのが面白かった。


お殿様公園
南隅櫓付近は「お殿様公園」として整備されており、画像左が大洲埋蔵文化財センター。画像右に見えるのが旧藩主の加藤家住宅で大正時代のものだという。


内掘しょうぶ園
南隅櫓から校庭となっている外掘は確認できたが学生で溢れているため撮影は自粛し、二の丸内掘跡を見に向かった。内掘は埋め立てられて大半が宅地になっていたが、「内掘しょうぶ園」まで行くとやっと内堀の名残を確認することが出来た。画像は城内側から「内掘しょうぶ園」を見下ろした景色で、当然ながら時期が過ぎているため菖蒲は一輪も咲いていなかった。


井戸丸から見た二の丸跡
画像は菖蒲園から北側を通って二の丸を抜けて本丸へと向かう途中の井戸丸(本丸下段)から見た二の丸跡。天守閣で昔の写真展示を見て判ったが、公園として整備される前はここまで民家が立ち並んでいたというのがなかなか衝撃的だった。まぁ、今でも二の丸下段の帯郭に民家あるため当時の様子を垣間見ることは出来た。


御門番所
二の丸跡にも「御門番所」の復元建造物があるが、何故かマップやパンフには載っていない。近くのトイレと外観が似ているため、説明板を見るまでは自分も復元建造物だとは気付かなかった。


暗がり門跡
画像は井戸丸から本丸へ入る入口の「暗がり門」の跡であるが、ここも発掘調査を見て衝撃を受けると共に城門の名前に納得をした印象深い箇所だった。現在の車道はまっすぐ本丸内へ入っているが、当時は城門内部でL字に折れ曲がって台所櫓の前に出るようになっていた。要するに枡型を省いて門内部で道を折っていたのであり、門を開けたら正面が壁とかいう忍者屋敷もビックリな構造である。


大洲城天守閣と櫓
特急から見た大洲城は黒くて無骨な感じだったが、本丸内部から見るとやはり印象が違って見えるのが面白い。天守閣には右側の台所櫓から入って受付で入場料を払って入ったが、外観では統一されているように見える重要文化財の櫓と復元天守閣でも、内部の木材の新しさが全く違うのがハッキリ判るため面白い。


天守閣1階からの吹き抜け
天守閣内部は1階と2階が独特の吹きぬけ構造になっており、内部構造が楽しめるのも資料が残っている建物の復元ならではである。余談であるが、天守閣の最上階の人目に付かない場所にこっそり鼠の置物が隠してあり、これは災害が起こる前に鼠が逃げ出す逸話を逆手に取ったもので、要するに鼠が居る内は安全であるという大工さんの洒落である。


天守閣からの景色
天守閣最上階の窓からは城下が一望できて素晴らしかったが、やはり櫓と同じくらい高い本丸の3本の樹木も印象的であった。画像中央奥に見える橋が最初に写真を撮った場所である。


修復中の下台所
今回の大洲城の散策で心残りになった場所の一つに重要文化財の下台所があり、修復工事中のため写真の外観しか確認できないのがなんとも残念だった。

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