6月27日岩手遠征二日目【五日市館】(岩手県八幡平市)2014年07月04日 00時38分45秒

今回の旅では新安比温泉にお世話になり、翌日は宿から街に向かう道中にある博物館へとまず立ち寄った。

八幡平市博物館
「八幡平市博物館」は旧安比町の博物館で、展示内容ではこの地出身で寛永寺の僧主となった孝順大僧正や、この地の産業を支えた山師、塗師などの資料がなかなか興味深いものだった。二階の現存史跡の写真は鹿角街道に纏わるものが多く、気になるものもあったが今回の旅では時間等の都合でいずれの史跡にも立ち寄ることは無かった。


里城公園
博物館を出た後は国道を北上して五日市の集落へと向かったが、ここは浄法寺街道が鹿角街道に合流する手前の宿場町だった場所で、中世には浄法寺氏家臣の五日市左近(青澤左近)が治める城下町であった。画像は五日市氏の居城の五日市館の南麓にある里城公園。


五日市館南部の断崖
里城公園から見た城は断崖となっているが、実は昭和43年の十勝沖地震で大崩落した跡であり、この時に直下の空堀と土塁も失われたという。画像は公園側の車道から城跡の断崖を見上げた図であり、よく見ると木が宙吊りになっていていつ落ちてきてもおかしくない状態だった。


五日市館主郭入り口
主郭への入口は集落がある城跡西側にあり、ここに立派な標柱が立てられている。ちなみに城跡の説明板は里城公園にあった。


八幡神社
主郭の西端には八幡神社が祀られており、摂社のように蒼前神社の社もあったが、蒼前神社は元は副郭の西隣にあったらしい。余談になるが空掘の外側に設けられていた土塁跡の上には神明社と薬師も祀られていた。


五日市館主郭内部
主郭内部は大部分が畑になっており、ちょうど農作業をしている方が居たので話を聞いたが、丘の上は神社と畑以外に是といったものは無いそうだった。なお、郭内はけっこう広く、微妙に高低差があったので複数の区画に仕切られていた可能性もある。


郭より堀底を覗く
この城で最も特徴的な遺構が丘の上の郭を囲んでいたという空堀で、堀の外側に丘の削り残しから造ったと思われる大きな土塁がセットで設けられている。画像は非常にわかり辛いが、主郭から堀底を覗いた光景で、一郷主が造ったとは思えないくらい深く幅も広い空堀だった。


堀底を通る車道
画像は現在車道が通っている堀底で、右に見える斜面の上が主郭、正面に見える丘が副郭、左の畑の外側に見えるのが土塁である。副郭も主郭同様に空堀が周囲を囲んでいるが、斜面は急で内部は雑木林だったので詳しくは確認していない。

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